映画 炎のジプシー・ブラス 地図にない村から (2002)

  放浪中のドイツ人ヘンリは超絶技巧のジプシーバンドが有ると聞きおんぼろ車でルーマニアの村を訪れる。彼らは結婚式で演奏しご祝儀をもらったりしているが貧乏だった。ヘンリが彼らにレコードを作らせ公演旅行をアレンジする。友人のヘルムートが事務所を立ち上げスペイン公演を実現する。さらにカナダ、日本にも触手を伸ばしてくる。日本をお得意様にすれば食うに困らなくなる事を彼らはよく知っている。バンドはジプシーの伝統曲をいいアレンジで聴かせるものだがボーカルも入る。こう言っては何だがジプシーキングスの音楽をちょっと田舎っぽいカナディアンブラスがやっているようなサウンドだ。

  ヘンリらは単なるビジネスでやっている感じだが大成功すればひと財産できるだろう。ヘルムートも放浪者でルーマニアの南の村のジプシー娘と結婚し一児をもうけている。

  バンドは知り合いの結婚式で演奏しいよいよツアーに出る。大型バスをチャーターし運転はヘンリが務める。フランクフルトに到着し大ホールで公演する。広場の露店で中古オーディオを25マルクで購入する。バスは風光明媚なイタリアに入る。メンバー達はタンギングでメロディーを歌っている。こうすれば吹いたのと同じ練習になる。一行はミラノに到着。街に入りショッピングする。ここも大ホールだ。このツアーを終えると彼らは家を建て村の教会も新築した。

  次に彼らは東京にいた。路上パフォーマンスを警官に止められるが交渉の末やらせてもらう。ホール、クラブ、野外とツアーをこなした。日本では一段と熱が入りみんな盛り上がっていた。この映画は素朴さを強調した成功物語に仕上がっているが実際は作られたシナリオだろうと思う。