映画 レヴェナント (2016)

  先住民の居留地に入り毛皮を獲り商売をする一団がこれから引き上げようとする矢先に先住民に急襲される。ほぼ壊滅するが隊長ら残った一団は船を捨て陸路を山越えし砦まで逃げる道を選ぶ。主人公で猟師のグラスが先導する。だがキャンプの翌朝偵察に出たグラスは熊に襲われ瀕死の重傷を負う。手当てを受け担架で運ばれるグラスだが山越えは無理と判断され死を見届けるため息子のホークを含む三人を残し隊は先に進む。この三人のうちの一人が曲者でホークを殺しグラスを生き埋めにして先に進んでしまった。ここからこの復讐劇が開始する。

  土から這い上がったグラスは息子の死を確認し裏切り者のフィッツジェラルドを這うようにして追いかける。途中先住民の追撃をかわし川を流れながら野宿するが一人旅をしていた先住民の男に逢い助けてもらう。男もスー族に家族を殺されたのだと言う。回想シーンが多く難解に作られているがこの映画は難しく考える必要はない。主人公が傷を治しトレッキングして相手を殺すだけの話である。

  隊長らとフィッツジェラルドは砦で新年を迎えることが出来た。一方グラスの方は盗賊達から先住民の女を助け馬を奪ってさらに旅を続ける。白樺の林で眠っていると先住民の追撃に遭遇し攻撃を受け崖から墜落しまた重傷を負った。馬は血だらけになって死んでいる。グラスは馬から臓物を抜き出し裸になってまだ暖かい馬の体内に入る。そうやって雪山の一夜をやり過ごした。

  次の夜も雪洞を作り焚き火をして生き延びるグラス。隊長らはある情報を元に行方不明になったホークを捜索に出かけるがグラスを見つける事になる。フィッツジェラルドはテキサスへ逃走した。金庫も開けられていた。

  翌早朝グラスは馬と銃をもらい隊長と共にフィッツジェラルドを追う。足跡を頼りに隊長と挟み撃ちにするが隊長はやられてしまう。グラスは隊長の遺骸を馬に乗せ追撃を続ける。フィッツジェラルドも猟師の端くれなので狙撃が上手である。木の陰から馬に乗ったグラスを仕留めるがそれはグラスに偽装した隊長の死体だった。遂に一騎打ちになり最後にフィッツジェラルドが言い訳をしグラスが斧で襲いかかる。フィッツジェラルドはナイフを持っている。グラスはまた殺されかけるが遂に息子の仇を討つ。最後まで口の減らないフィッツジェラルドだった。

   この映画で映し出された美しい映像はデルスウザーラやココシリと共に一生忘れられないものになると思う。またニューファンドランドに植民したノルマン人が先住民に殲滅された例のように先住民の方が優勢だった時代もあったはずでそれを映画化したところもユニークであると思う。映画ズール戦争が同じ趣向の作品である。