海ちゃんがもう三日帰ってこない。サブのアパートに兄から電話がある。おふくろのことで話がありあとで川波に来るという。
朝刊に大手の増田建設が倒産したという記事が載っている。川波にも関連会社の売掛け金が結構あるようだ。女将さんが請求書をあわてて送ったりしている。一人暮らしの北村という仲居さんが出勤してこない。部屋で倒れており救急車で運ばれる。女将さん、お嬢さん、サブ達が病院に駆けつける。一人息子が居るがテレビ局の仕事で来れないらしい。サブが直接テレビ局に行き上司に話すが生放送のため面会できない。局の廊下で同郷の知り合いがサブを見つけて二人は喫茶室で談話する。同級生の近況の話で盛り上がる。その時サブは半妻のおふくろがテレビ局の掃除婦をしている姿を目撃する。
兄がやって来て言うには母が蔵王で働き出したのだと言う。俺たちの言うことを聞かないのでサブから言ってくれと言う。夜中に息子が病院に駆けつける。付き添いをしていた半妻は年老いた母を働かせている息子に怒りを覚えて赤提灯で息巻いている。聞いていたサブは黙っていられずテレビ局の事を仄めかすと半妻の顔色が変わって逃げるサブを追いかけて来た。
アパートに帰ると海ちゃんが帰っていた。旅をして吹っ切れたと言う。サブは叔父さんと仲直りするよう言うが海ちゃんは出来なさそうである。翌朝蔵王の母に電話する。母はサブが帰省しなかった事を詰りお金を送れと言う。実は給料をもらっていないのだと言う。しかも禿げたおじいさんに恋をしていると言う。有吉佐和子の恍惚の人を読んでいると言う。グッドバイと言って電話を切った。なんかロボットのような話し方だ。
半妻は母から仕事のことを聞いたと言う。サブに昨日のことを謝る。サブは母に二万円送る事にした。