早朝の市場食堂。政吉が伝票を確認している。牛丼と味噌汁が運ばれて来る。政吉が先輩風を吹かせて割戻金をサブにも分けてやりビールも注文する。サブは割戻金は受け取らなかったがビールは頂いた。
昨日から女将が宮崎に二泊の旅行に出かけているが仲居達にたちまち嘘だとバレている。一緒に旅行に行っているはずの美乃屋の女将が東京にいたのだ。そこへ冬子お嬢さんが現れて女将の宿泊先を教えてくれと言う。
蔵王ではおふくろ様が周囲からお金を借りまくっては借りた事を忘れていると言う。仲居の京子さんが教えてくれた。サブが蔵王に電話して借金の総額を調べると5万2千3百円だった。何とかしようとするが余裕は無い。
政吉が仕入れの店を変えた事を修に指摘される。秀さんも物がよくない事を指摘したがそれ以上は言わなかった。ヤキモキしたお嬢さんがサブに美乃屋に電話してと言う。サブはそういうのは嫌すよと断った。
その夜政吉とサブが飲み屋で会談する。分田上時代の後輩の正も席についていた。正は随分貫禄が付いている。サブが政吉にやっぱりお金を下さいと言うと2万渡してくれた。政吉が改まって本題に入る。修の給料が20万だと言う。自分は9万だと言う。ここに居る正は18万だと言う。30になる自分はこれでは所帯も持てやしない。だから近々店を移るつもりだと言う。仲居も二人誘うと言う。サブもどうかと持ちかけられたが思い悩む。だが給料が7万から20万に上がるチャンスである。
翌朝仕入れの時に普請中の店を政吉と下見に行く。カウンター式の高級店だ。昼食の時サブの浮かない顔をかすみちゃんがじっと見ている。何かあったのと聞いて来た。3万、いや5万貸してくれないかとかすみちゃんに打ち明ける。かすみちゃんはいいわよと言うがサブはやっぱりいいと言う。
秀さんが二人を呼んで割戻金の事を問い詰める。修が調べて店に白状させたと言う。二人はそれでも否認した。秀さんは二人に出て行ってくれと言った。女性陣がお金を出し合ってサブに使ってくれという。それと秀さんに謝って店に居てくれという。アパートに帰ると冬子お嬢さんが待っていた。今日の事でサブに一言お礼を言う。冬子お嬢さんもサブに辞めてもらいたく無いようだ。
翌日サブは店に出ずパチンコを打つ。午後は映画館に行く。喫茶店でタバコを吸いながら店の事を考えている。そこへ半妻が現れた。半妻がサブをひっぱたいて店に連れて行くと政吉が普通に働いていた。サブは驚くが皆んな何も言わずに働いている。サブが嘘をつきましたと謝ると秀さんはもういいと言った。女将も旅行から帰って来て何とか元の日常に戻った。