東洋文庫 木葉衣 他 行智 (1800年ごろ)

これは修験道の教本であり、著者の行智は修験道の開祖である役小角(えんのおづぬ)について『続日本紀』『扶桑略記』『日本霊異記』を引用して述べている。なかなかの博識と言えるだろう。修験道葛城山の山道の往還から始まった。『古事記』『日本記』『続日本記』に葛城山における天皇の狩猟に際してのエピソードが多く記されている。

テキストだけあって用語の由来、装束、伊良太加数珠、法螺、斧、錫杖についての詳しい解説がある。理論が述べられているわけではなく、和歌の引用が多く載っておりどちらかと言うと教養のためのテキストである。修験道が日本古来の宗教であることが納得できる内容である。