映画 水の中のつぼみ (2007)

有料のシネフィルイマジカとムービープラスに加入していた頃に録画しておいたもので、今頃になってやっと観ることになった。一言で言えば少女たちの思春期を描いたフランス映画である。早熟で美人のフロリアーヌ、彼女に憧れるマリー、マリーの友人のアンヌの三人の日常と小さな事件が描かれる。その内容は女性にしかわからない様な心理と行動原理に満ちており、男性はフロリアーヌの相手のフランソワだけが登場する。こういう作品はやはり女性監督の手によるものである。

高校生くらいの年頃で、早熟な男女の一群と、置いてきぼりを食らうその他の集団という構図は、わりと日本と似通ったものがある。マリーはフロリアーヌと関わる様になって、男女交際の裏側を見る事になるが、アンヌは魅力的でないのでやはり置いてけぼりになる。だが一連の出来事の流れにより、彼女はフロリアーヌの男と先に寝てしまうという皮肉な結末も描かれる。

そういうことを知らない男性がこの3種類の女性にアプローチするとしたら、・・・みんな毒饅頭ですよという風にも解釈できる映画である。何も知らない殿方は御注意あそばせと言っているのか。女性監督は容赦無い。