紀元前一万年の頃、マンモス狩で食糧を得て暮らしていたヤガル族は気候変動と他部族の襲撃により滅びる運命にあった。巫女の予言通り最後のマンモスの群れがやってきた後、騎馬で武装した部族の襲撃に遭い数名が奴隷として連れ去られた。主人公のデレーは連れ去られた妻と仲間を救い出すために長い旅に出る。山を越え、熱帯の密林を越え、砂漠を越え、ピラミッドのある海岸までやって来る。地形から類推するとエチオピア、スーダン、エジプトの経路がかなり近い。
話の進行は歴史の必然がその時の単なる偶然によるものだったという発想で進んで行く。デレーらは途中で遭遇した部族と交流し、集まった大軍を率いて敵の本拠地を目指す。行き着いた先は奴隷とマンモスを使って巨大なピラミッドを建設中の文明社会だった。蓋を開けてみると驚いた事にそこで神として君臨していたのはファラオでは無く弁髪の東洋人だった。
世界史としてみるとヤガル族は辺境に住み、異民族に服属するか滅ぼされるかというパターンであり、その後文明の真っ只中で修羅を経験して新しい時代に入るというもう一つのパターンも描かれており大変秀逸な映画である。