映画 ゼロ・ダーク・サーティー (2012)

最近はのんびり映画を観ている。これは過去にムービープラスで放映されたものである。

冒頭の部分はとてもハードで見辛いものがあるが、これは拷問、盗聴、買収なんでも有りの言ってみればスパイの教科書のような映画なのである。目標はビン・ラディンの居所を突き止める事のようだが、事前にテロ情報を収集する仕事もあるようだ。パキスタンアフガニスタンクウェートを舞台にスパイ対テロリストの応酬が繰り広げられ、テロリストが勝つこともある。主人公の女性分析官は同僚の死に見舞われビン・ラディンを殺すことを誓う。三文芝居のような演出である。

CIAの奮闘が描かれついにビン・ラディンの住居の特定に成功したようだが、CIAが本当にこのような情報戦で勝ったのか、鵜呑みにはできないだろう。単なるタレコミで場所がわかったという可能性もある。

後半はネイビーシールズによる暗殺作戦が再現されており、ビン・ラディンの死体と証拠資料が米軍基地に運ばれる様子が示される。最後にCIAの分析官が運ばれてきた死体の顔を確認する。だがわざわざそうやって本物である事を強調するというのもむしろ事実を隠蔽したのではないかと勘ぐられる元になる。パキスタン政府だけでなく、世界の人権団体、アラブ人に喧嘩を売る映画である。