映画 ツレがうつになりまして (2011)

鬱病がテーマの作品で手法としては伊丹十三の映画に似かよっているものがある。一通りの知識が得られるが、かなり綺麗事が混じっているので映画のようにハッピーエンドになると思ったらそれは間違いかもしれない。

都内のIT企業に勤める幹夫は顧客からのクレームに苦しんでおり程なく鬱病を発症した。妻の強い勧めで会社を退職し、漫画家の妻の収入で生活することになった。どちらの趣味かわからないがイグアナと同居している。

こういう設定で話が進んで行き、季節が巡り幹夫はある程度回復するところまで来る。頑張らない、鬱病心の風邪などのキーワードを入れて作品としては纏まってはいるが、演出は満点とは言えないだろう。芸術映画の禁止事項『セリフをそのまま映像化してはいけない』が出てくるので驚いた。禁止事項は他にもあって『登場人物に監督の思想信条を語らせてはいけない』というのもある。

鬱病については未だにわからないことが多く、現場は修羅の様相を呈しているというのがおそらく現実である。