2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

川端康成 抒情詩 (1932)

『物質のもとや力が不滅であるのに、知恵浅い若い女の半生でさえさとられずにいられませんでした魂の力だけが滅びると、なぜ考えなければならないのでありましょう。魂という言葉は天地万物を流れる力の一つの形容詞に過ぎないのではありますまいか。 霊魂が…

川端康成 禽獣 (1933)

川端34歳の時の作品である。音楽業界の大物らしき独身の男が女中と禽獣を飼って暮らしている。男は40の手前という設定である。出入りする鳥屋の勧めで菊戴の番いを飼い始め禽獣の飼育にのめり込んで行く。その過程で業のようなものが立ち現れて来る。千花子…

Technics SEー9060 改修日記 (8)

メインシステムに組み込んで音質を確認する。 クラシックでは音が柔らかくて澄んだ音がすると思う。ロックでは楽器の分離が凄すぎて精密なアンサンブルのように聴こえる。フュージョンでは元々楽器の分離が良いので楽器ごとのエコーまで手に取るようにわかる…

Technics SEー9060 改修日記 (7)

某月某日 最後の調整。アイドリング208mA、オフセット7.7mVとなっている。 テスト用スピーカーにつないで音楽を鳴らす。アイドリングはとても安定しているのでオフセットを監視する。 大丈夫のようだ。最初の豪華な基板はコツコツ続けているのでいつかは出来…

BSドキュメンタリー バシャール・アサド 〜独裁と冷血の処世術〜(2016)

2009年アサドはフランスのTVの取材を受けていた。内戦勃発の2年前である。夫人をエスコートして高級車でコンサート会場へ向かう。取材に対しミレイユ・マチュー、シルヴィ・バルタンが好きと言う。シリアは安全な国と言う。 イギリスで研修医をしていたアサ…

Technics SEー9060 改修日記 (6)

某月某日 この回路でテストを続けているがなかなかいい結果が出ない。 8Ω負荷で最大出力が1Wになるし、無信号で発振しているようなスペクトルが出たり出なかったりする。実験でかなり追い詰めはしたが、超えられない何かがありそうなのでショートカットした…

東洋文庫 モンゴル秘史 1 (13世紀)

本書は那珂通世著『成吉思汗実録』を口語に訳し注解を多く加えたものである。『成吉思汗実録』とは明朝が漢訳編纂した『元朝秘史』の文語体訳である。さらに言うと13世紀にモンゴル帝国の宮廷に秘蔵されていた『秘史』というものがあって、それはモンゴル語…

Technics SEー9060 改修日記 (5)

某月某日 電源部の続きを行う。 メインの整流器は基板の裏に装着する。 ±50Vが出ている。 保護回路を作動させたところ。 両chに100kΩのブリーダー抵抗を入れている。これにより電源オフ後15分で初期状態に復帰できる。少々不便だが一番簡単な方法である。 こ…

Technics SEー9060 改修日記 (4)

SEー9060の電源トランスとケミコンを残して他は自作する。電圧増幅段のレギュレーターはシンプルなHMAー9500IIのものを採用する。動作を調べてみた。 手持ちの部品に合わせて定数を変更した。 整流のみ レギュレーター出力 うまく動作しているようだ。

SONY TAー4650点検日記(10)

マルチメーターの調子がおかしいので新調した。高電圧を示してアラームが鳴るのである。もう一つのマルチメーターはそういう事がないのでおそらく寿命がきたのだと思う。 早速バイアス電圧を調べてみる。 安定しているようだ。変な高電圧が出ない限りこのく…

Technics SEー9060 改修日記 (3)

今回使う日立のMOSーFET 基板に載った太陽通信のΛコン。銅箔、銅リードのフィルムコンである。昔秋葉原で4個買えた時のものである。 昨年は不思議な年で、K135の上位互換の石やTHF-51Sなどがネットで購入できた。今年はそれらを使ってアンプをいくつか作って…

東洋文庫 アンコール踏査行 (1880)

著者のルイ・ドラボルトはまず当時のカンボジアとフランスの関係について簡潔に述べている。以下引用文。 《カンボジアは、同じくこの大河にうるおされ、南はフランス領コーチシナと境を接する国で、これと合わせてアジアの端におけるフランス領の全体を形成…

Technics SEー9060 改修日記 (2)

某月某日 作業を進めた。今回の保護回路は左右独立電源に対応するため少々工夫が要る。 部品を載せたところ。この後の基板配線は楽しみの一つである。 一部の部品は調達中なので今のところこんな感じである。VHコネクタ、金属板抵抗、100V耐圧の電解コンデン…

Technics SEー9060 改修日記 (1)

某月某日 古いパワーアンプSE-9060の再改修に着手する。 保護回路から作ることにした。 元のアンプに使われていたパワートランジスタ この代わりに日立のMOSーFETを使い、LoーDスーパーリニアサーキット、Λコン搭載のアンプを製作する。

SONY TAー4650点検日記(9)

先ほどのアンプにK60を載せて特性を調べた。 参考 ノイズフロアが違うのは測定系のSN比の違いだと思う。単純に比べても純SITアンプの素性の良さがわかる。

SONY TAー4650点検日記(8)

某月某日 過電流保護回路をつけてみた。これで調整や実験が安全に行えるだろう。過電流を検知してB1電源がシャットオフされる。接続前に電圧を確認しておく。 シャットオフしたところ。 バイアス電圧の振る舞いを調べているところ。アンバランスでも和が一定…

東洋文庫 東都歳時記 1 (1838)

本書は斎藤月岑が著した江戸の歳時記である。東洋文庫には同じ著者で 『増訂 武江年表 (1848)』もある。本文を少し紹介する。 《元日 ◯御一門方譜代御大名衆御禮(装束にて卯半刻出仕)諸御役人方御禮登城。 ◯諸家年禮 商家にては二日より出る。元日は戸を…

SONY TAー4650点検日記(7)

某月某日 先ほどの基板に部品を付け加えてアンプにしてしまう。K60の代わりにパワーJーFETを使ったアンプである。回路はSITプッシュプルアンプと全く同じにした。 アイドリングが198mA、オフセットが14.3mVとなっている。 起動が難しいという問題があるが、…

SONY TAー4650点検日記(6)

某月某日 VーFETの伝達特性を調べるための基板を作る。この計算表に基いて抵抗値を決定する。 15V電源、330Ωと2kのVRで良さそうである。このような回路になる。 -14.5V〜-9.2Vの間にバイアスを設定できる。 K60 伝達特性の測定ばかりでなく石の生死も判定で…