日本の研究者が大仏と壁画の調査に入る。将来の修復、復元を考えているのだろうか。1964年には名古屋大、京都大学がバーミヤンに研究のために入っている。N窟にあった供養天の壁画は破壊され痕跡になっていた。石窟の壁も落書きだらけになっている。1920年のフランスによる発掘映像、1950年の日本隊の発掘の時の映像も出てくる。
収集された文化財はカブール国立博物館に収集展示されたが内戦の勃発により一度破壊された。破壊前の様子は在りし日のカーブル博物館(1988)というビデオに収録されている。だがコレクションの一部は職員により運び出されていて略奪から免れている。その内の黄金の秘宝は2016年4月から東京国立博物館で展示された。
2001年よりアフガニスタンの文化財の散逸が始まるがそれらはまずパキスタンのペシャワールに持ち出される。ペシャワールでは今でも貴重な文化財が取引されている。行方不明だったゼウス神像の左足は日本に来ていた。これらは日本でひとまず保護されており、いつかアフガニスタンに返還されるという。ユネスコが集めた基金でバーミヤン遺跡の修復が始まった。日本は清掃、補修を担当する。その際いくつかの新発見があった。7世紀ごろと思われる油画技法と三蔵法師が訪れていた頃の経典が新たに見つかったと言う。
東京藝術大学での天井画の原寸大復元の様子が取材されていた。この成果は東京藝術大学アフガニスタン特別企画展で公開中である。これを見ると壁画の剥がれたところまで再現されている。40年前の状態を再現したことになるだろう。日本に流出した文化財が今年の4月に102点アフガニスタンに返還された。バーミヤン空港も復活して今はカブールからの定期便がある。