東洋文庫 パンジャーブ生活文化史 (1859)

著者のヌール・アフマド・チシュティーは祖父の代からラーホールに住む貴族の家系に生まれた文筆家である。この書はパンジャーブ地方の習俗、風習について書いたもので、イギリス人官僚に現地語を教えていた著者が彼らの学習のために便宜を図ったもののようだ。

パンジーリー パンジーリーはまず上質の小麦粉を用意して炒り、これにヒヨコ豆を混ぜる。下層の民は代わりに赤砂糖を混ぜる。さらにアーモンドとギーをよくかき混ぜると、パンジーリーが出来上がる。

カバッディーとは次の如し。空き地の真ん中に線を引き、子供や若者がその線をはさんで双方に数人ずつ敵味方に分かれて立つ。それぞれ自分の陣地から相手の陣地へ、一人ずつ両手を広げて「カヴァディー、カヴァディー」と叫びな がら走って行き、敵の一人にタッチして逃げ帰る。もし、逃げて味方の陣地に帰れればセーフ。敵につかまり、戻れなければ、「死んだ」と言われ、地べたに座り込む。こうして交代で相手の陣地を攻撃して遊ぶのである。

と大変わかりやすい文章で解説されている。他には誕生、婚姻、割礼、その他の宗教的儀式、下層民達の職業のことなどが書かれている。