このミュージカルが公開された時ニューヨークではこの話題で持ちきりだったという。一方日本では映画が公開されサントラ盤が発売された。このサントラ盤を子供の頃聴いてうーむビートルズ以外にもこのような音楽が存在するのかと唸っていたのが僕である。斯様に粒揃いなメロディーの楽曲とアレンジ、アレンジはクラシック風、ミュージカル風、ジャズ風と何でもありでバーンスタインの面目躍如の作品である。
あらすじはロミオとジュリエットを下敷きとした現代アメリカの悲劇だがやや底が浅いとも言える。プエルトリカンのマリア、ポーランド系移民のトニー、二人が出会ってお互いに一目惚れする。最後はトニーが殺人を犯し敵のチノに射殺される。刑事の尋問でマリアはダンスパーティーで出会ったのはホセと言う。トニーは殺人を犯しながらマリアと遠くへ逃げようとする。どっちも潔いとは言えない人柄だ。部分部分は腑に落ちるが、全体は現実とはややかけ離れたお伽話のようだ。