マリアとトラップ大佐がアメリカに渡り、家族合唱団として活躍する様子を描くドイツ映画である。二人は実在の人物だったのだ。言葉はドイツ語だしこちらは本物っぽい。子供達もみなかわいい。さてバスに乗り地方公演を行うマリア達だが、12人しか客が入らなかった。聖歌隊のような歌を歌っている。同行しているのは神父と運転手である。窮地に立つ合唱団だが、あと18公演残して契約解除となる。
マリア達は摩天楼のニューヨークに戻り、3ヶ月無料の安アパートに入り果物だけの耐乏生活をすることになる。英語が不自由だが押しの強いマリアは新しいエージェントと契約し、大富豪をもスポンサーにつけ、全国公演を行うことになった。不評の原因である宗教音楽をやめてからはだんだん人気が出てきて、子供達も食べ物に不自由しないですむようになったのある。
コーラスはみな達者だがボーイソプラノの声が飛び抜けて美しい。選曲はオーストリアのヨーデルやフォスターの曲を取り入れている。この映画を見るとオーストリア時代のマリアが『My Favorite Things』を突然歌いだすのは有り得ない事がわかるのである。