ペルシャ文学における最高の詩人は民族英雄叙事詩ではフィルドスウィー、四行詩ではオマル・ハイヤーム、頌詩ではアンヴァリー、ロマンス叙事詩ではニザーミー、神秘主義詩はルーミー、実践道徳詩はサアーディー、抒情詩はハーフィズと言われている。今回紹介するハーフィズはシーラーズの生まれでほとんどそこで生涯を送っている。川のほとりムサッラーの花園に彼の廟がある。どんな詩なのか一例を挙げる。
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一つの星が輝き、宴の月となり
われらの乱れた心の友にも仲間になった
学舎に通わず、文字も書かないわが美女は
秋波にて百人の教師に多くの問題を教えた
彼女に焦がれて恋人たちの病む心は
微風のごとく野ばらの頬、水仙の目に捧げられた
今恋人は私を酒場の上席に坐らせた
視よ、町の乞食が宴の長になった
ハーフィズはヒズルの水とアレクサンダーの酒杯を想い
一口飲みにアブル・ファワーリス王のもとに行った
今、愛の歓喜の館が建てられる
わが恋人の眉のアーチがその技師になった
どうかそなたの唇を酒の滴りで清めよ
わが心はあまたの罪をつぶやく
そなたが嬌態で恋人たちに酒を飲ませると
彼らの知性は消え失せ、理性は感覚を無くす
わが詩は黄金の如く貴重なる存在
この銅の錬金術は金持ちたちの気に入る
友らよ、酒場の道から手綱の向きを変えよ
なぜならハーフィズはその道を行き貧しくなった