映画 過去のない男 (2002)

長距離列車で都会の駅に降り立った初老の男、その夜はベンチで仮眠を取ることになる。そこへ3人組の男が現れ後ろから棍棒で殴り昏倒させる。金品のものを奪い、今度は瀕死になるまで棒で叩いて去って行った。男は病院に収容され命は助かったが記憶を失っていた。

 ここからはさすがヨーロッパである。貧民窟、救世軍、職安、銀行、レストランが全部あって、一文なしの浮浪者でも何とか立ち直ってゆく。どこの国かは後半で都市の名が出てきたのでわかった。1960年代の北欧の国である。移民は嫌われているようだ。キルギスからの労働者が逃げ出したとか、銀行が潰れて北朝鮮が買収したとか、会話から情勢が伺える。多分本当のことだろう。

 音楽にはこだわっていて面白かったが、聴いたことがない様な日本の音楽が二曲使われていた。監督の趣味だそうである。