山田太一のドラマの登場人物は胸に実存を秘めていていつでも爆発するぞという構えだがこのドラマではそういう事はない。ときどき感情が爆発するだけだ。登場人物は道を大きく逸脱したりはしない。
主演のひかる(水前寺清子)は新米の婦人警官でイチジク保育園に間借りして母と二人で暮らしている。進矢(石坂浩二)は上野署の刑事で保育園を経営している叔父夫婦に育てられた。園長の玉造は児童文学者で後妻の静香(乙羽信子)と睦まじく暮らしている。香子(和泉雅子)は婦人警官でイチジク保育園の一期卒業生である。姉の比奈子(長山藍子)と二人暮らしだ。姉が煎餅屋さんを営んでいる。
本放送の時は僕はまだごく若くて何の気なしに見ていただけだったが今見ると人生を決定づける最重要なことが二つ顔を出してると思った。