ドラマ ありがとう 第二シリーズ 第22回

    鉄之介と小雪の件は吉本新喜劇のようなやり取りで上手く行くことになる。平岩弓枝のドラマなので男女の間の深い溝のようなものがいくつか現れる。長男の龍之介と別居から帰ってきた妻との仲がしっくり行かない。妻は京都の老舗の娘で超絶美人(河内桃子)だが龍之介が怒ると萎縮してしまうタイプだ。十倍にして言い返すような気の強い美人ならこうはならないのだが。内科医の広道(山本學)と姉の志津江(長山藍子)の関係も姉が母親のように振る舞いだし弟が辟易するように描かれる。

   長期出張中の院長(伊志井寛)が代役(清水将夫)に替わって帰ってきた。小雪の父親も挨拶のために同行してくる。院長が虎之助の縁談を持って帰ってくる。京都の小児科の権威の娘の婿に入ってはどうかと言う。虎之助は暗い顔をする。  

   虎之助の縁談の事を聴きあらたの母親がショックを受ける。ふさぎ込んであらたに済まないと言う。母子家庭であることを気にしているのだ。ここで裏のストーリーが浮かび上がって来る。次男坊の虎之助は美人ナースとあらたを捨てて京都に婿入りしあらた親子は鳥取に帰って行くという結末だ。現実にはありそうな展開だがそこは筆の力でなんとかするわけである。