映画 ジョニー・ハンサム (1989)

  頭部の奇形を持って生まれ孤児だったジョニー・ハンサムは窃盗で生計を立てていた。ある日ジョニーは酒場を経営している親友の相談に乗り大きいヤマを手がけることになる。顔は醜いが頭は良いジョニーは綿密な計画を立て強盗を実行する。だが仲間の裏切りにより親友は射殺されジョニーは刑務所に入ることになる。ここまでの話は殺伐としたアウトローの世界だが描写の仕方にどこかしみじみとしたトーンが感じられる。

  懲役刑になったジョニーが農場で綿花を摘んでいると金で雇われた刺客がジョニーをナイフで刺しジョニーは重体となる。ジョニーの事をよく知る黒人刑事が現れてジョニーに付きまとい始める。警察病院に入院し一命をとりとめたジョニーは黒人医師の勧めで頭部の形成手術を受けることになる。その結果怪物のような容貌だったジョニーは北欧の王子様のような姿になってしまう。これには黒人刑事も苦笑いする。

  新しい名前と身分証明書を警察から与えられたジョニーは仮釈放され工場労働者になる。事務所に出入りしているうちに経理課の女性ドナと知り合いになり付き合うようになる。しかしジョニーは裏切った上に酒場を乗っ取ったレイフと情婦のサニーに接近する。やはり復讐するのだ。ジョニーが500万ドルの大きいヤマの計画を持ちかけると二人は話に乗って来る。ジョニーの姿に惚れたサニーはレイフを殺しジョニーに乗り換える気でいる。

  いよいよ計画が実行され大金を奪うことに成功するがジョニーの事を見張っていた黒人刑事が現れマネロンされようとしていた現金を押さえる。これから復讐しようとするジョニーも夜の墓場で捕まえる。だが黒人刑事はジョニーに刑務所に入る前に復讐しても良いと言い自由にさせる。

  現金を取りに現れたレイフとサニーはドナを拉致しておりジョニーに拳銃を捨てさせる。ジョニーの正体もすでに知っている。レイフは醜い顔に戻してやると言いジョニーの顔を切りつける。しかし最後は激しい撃ち合いになりドナ以外は全員死亡するのである。

  途中からはなんだかテレビドラマのような展開になってしまった。犯罪と友情、神のような医学の恩恵と宿命を題材としたB級映画である。