映画 熱いトタン屋根の猫 (1958)

映画だが戯曲なので長い台詞回し、警句がちりばめられた修辞的表現が多い。南部の裕福な家庭で起こるゴタゴタが主題であるので観てても楽しくはない。ごく控えめに黒人の使用人が出てくるが、南部の現実はフォークナーで学んでいるので、特異な人間関係もわりと理解できる。

さて主役のエリザベス・テイラーは堂々たる演技で華を添えている。一方のポール・ニューマンは同性愛者でアル中のダメ男を演じているが、途中からわりとまともになってきた。お父さんの驚いた顔がムソルグスキーに似ている。