第三巻に入る。ユーフラテス川を越えチグリス川に沿って北上したアレクサンドロス軍は現在のイラクのアルビール付近でダイオレスの大軍と決戦を行う。以下引用文。
『一方アレクサンドロス自身はといえば、彼はそれまでなおしばらくのあいだは、麾下の部隊を縦隊に組んだままで引率していたが、そのころ右翼を回りこもうとしていた敵に当たらせようと派遣した支援の騎兵隊が、夷狄側歩兵部隊の戦列前面に、ある程度の切れ目を生じさせたと見るや、彼はその切れ目部分へと馬首を回らせ、ヘロイタイ騎兵隊とその場に配置されていた歩兵部隊の一部とで、楔形を作らせるなりこれを手勢に、鬨の声をあげてまっしぐらにダレイオス当人の方向へと突っ込んだ。
しばらくのあいだここに白兵の戦闘が起った。しかしアレクサンドロスのひきいる騎兵隊とアレクサンドロス自身とが、ペルシア人たちを突きのけ押し分け、手持ちの槍で相手の顔を真っ向から直撃するなど、はげしく彼らを圧迫する一方、緊密な隊列を組みびっしりと長槍をかまえたマケドニア歩兵部隊の方も、すでにして彼らに襲いかかったとなると、このときもう早くから怖じ気づいていたダレイオスの眼には、まわりの何もかもがひとまとめになって恐ろしいものに見えてきて、彼自身真っ先に後ろを見せて退却に移った。』
ダレイオスを敗走させた瞬間が記されている。よくもこんなに詳しく書かれたものだ。