2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画 シャレード (1963)

見終わったので思い返しながら印象を述べてみる。ヘプバーンの演技に気合が入っている割に、ケーリー・グラントの冷静な演技がミスマッチで、年の差もありお似合いのカップルには最後まで見れなかった。若くて魅力的なヘプバーンの方が、グイグイと中年男に…

小椋佳 『もういいかい まあだだよ』(2021)

自身の人生を概観したような著書であるが、ユニークな言葉が散りばめられた令和の名著である。 小椋氏は若い頃から真実を追求し、言葉を磨き続けたクリエーターだけに、その視点は真実を見通しているし、紡ぎ出される言葉に嘘はない。文筆家は書く量が多いの…

映画 翼にかける命 (1957)

原作がフォークナーの小説ということで、セリフがとても饒舌な感じがする。普通の映画ドラマのものとは異質である。 主人公の飛行士ロジャーはかつては第一次大戦で活躍したが、今は航空ショーに出て生計を立てている。美人の妻ラヴァーンと彼女に片想いして…

映画 グローリー (1989)

南北戦争で登場した史上初となる北軍黒人部隊の誕生から壊滅までを、優雅なタッチで描いた映画である。 指揮官のショー大佐は心優しい青年であり、部隊の訓練や備品の調達を統括したり、前線で指揮を執るという仕事までこなすのはやはり負担が大きすぎたわけ…

映画 ベン・ハー (1959)

ランダムに映画を10本観ると良いのは2本くらいで残りはカスのようなものという説があるが、そう思うとちょい気が楽である。若い頃なら良いが、優れた映画ばかり集めて観て行くのも疲れるのである。この映画はその2本に入るものだろうし、ハリウッド映画の最…

映画 アガサ・クリスティの奥様は名探偵 (2005)

元の小説がいいし、制作陣も俳優も優れていて観て楽しい映画だった。 フランスの湖畔に建つ瀟酒な家に住む仲良し夫婦が会話を楽しんでいると、施設にいる叔母に会いに行く事を思い立つ。オープンカーで美しい風景の道を楽しく会話しながら、古いお城を改修し…

ブラームス ハンガリー舞曲第1番

第五番のほうが有名だが、控えめで物悲しいこちらの方が好みである。 https://youtu.be/XYNtYL6ogic

映画 引き裂かれたカーテン (1966)

ヒッチコック監督のサスペンスドラマである。ストーリーはまあそれほど良いものでもないが、ロケ地のヴィジュアルが面白い。北欧フィヨルドクルーズから始まって、コペンハーゲンのチボリ公園、東ドイツの当時の街並み、ベルリン美術館、ライプチヒにあるカ…

映画 父親たちの星条旗 (2006)

この映画は『硫黄島からの手紙(2006)』と視点が逆になっているというユニークな作品である。両者ともスティーヴン・スピルバーグが関与しているだけあって実写の迫力は素晴らしい。 戦争映画ではあるが、力点はあの摺鉢山制圧後、海兵隊員らが星条旗を山頂…

映画 クイーン (2006)

ブレア首相と王室関係者については役者を起用し、ダイアナ妃については報道映像を使う事で時系列に忠実なドキュメンタリー風なドラマになっている。 1997年の夏、エリザベス女王がいつものようにスコットランドのバルモラル城で静養していると、事件が起こっ…

ベートーベン交響曲第3番英雄

ある意味マーラーの9番の対極にある曲である。かといってそれ程単純ではない。 https://youtu.be/y4Ry7spMq3k

アニメ さすらいくん全13話 (1992年)

1本15分ほどのアニメをほぼ全部観た。藤子不二雄A氏の漫画が元になっている。これで人生におけるヒントが得られれば実に儲け物だと思って観ていたら、その様なものは実質ゼロだった。主人公の平凡なサラリーマンさすらいくんはもし鉄道マニアなら結構幸せな…

映画 硫黄島からの手紙 (2006)

クリント・イーストウッド監督作品で、戦争物でありながら心暖まる場面が多いという映画である。非国民という言葉を金科玉条として、怒鳴り散らす軍曹風情は出てくることは出てくるが、心優しい司令官や、人間らしい元憲兵が出てくるところがいい。中盤では…

映画 のだめカンタービレ最終楽章前編(2009)後編(2010)

テレビドラマは全部観たがシュトレーゼマン、ハリセンの人、ペトルーシュカのギャグには破壊力があった。本編は時間の関係からかギャグは控えめで、登場人物の留学やら海外での活動が描かれている。音楽も新しいものが登場する。 千秋はウィーン楽友協会での…

映画  タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 (2011)

実写なのかと思って観ていたら人物の顔が全部CGだった。背景や建物もよくできたCGである。だが演じている俳優さんがいるので、デジタルで撮影する工程があるのだろう。 ストーリーはほぼ完璧で、ずっこけるキャラも配されており、大人でも十分楽しめるクオリ…

マーラー交響曲第9番第四楽章

楽曲をスコアから再現してみた。 https://youtu.be/_r3bhTZOxIM 人気の曲だというが、相当気合を入れないと演奏や指揮はできないだろうと思う。

酔夢

1月8日こんな夢を見た。 静岡県の崖道を歩いているのだが、いつのまにか水道のようなダムのような道を進んでいて、街につながる道に出ないのである。大抵行き止まりになっていて、段差を飛び降りたりするうちに人々のいる小さなビーチに出た。大きな船が横付…

映画 メガネ (2007)

ここ与論島に住む人々は達観というか、嘘のない世界に生きているのだった。裏を返せば東京は嘘だらけということになる。 プロペラ機で与論島の空港に降り立った東京のOL風のたえこはハマダという民宿に投宿する。主人は笑顔でよく喋るが押し付けがましくない…

映画 ハウス (1977)

世に出るのがなんだかんだで遅かったような気がする。大林宣彦監督のポップ風なスリラー映画である。(観る者とのミスマッチにより)あんまり伝わってくるものが無かったが、ストーリーとは関係ないところで西洋風の顔立ちの女優さんがでてくるのである。し…

新年のクラシック

年末は井上道義指揮N響の第九、東急ジルベスターコンサートを観て、年初はフランツ・ウェルザー=メストのウィーンフィル・ニューイヤーコンサートも観た。コンサートは新曲だらけの意欲的なものだったが、定番のこの二曲は外すことはできない。これらを自前…

ETV特集 ロシアから見た日露戦争 〜兵士たちの手紙、日記が語る真実 (2004)

まずサンクトペテルブルグに係留保存されている巡洋艦オーロラの実写映像が出てくる。この年の5月24日バルチック艦隊の将校、水兵たちの子孫が集まって日本海海戦記念式典が市内のどこかで行われていた。インタビュー映像がある。熊本で捕虜になっていた兵士…

映画 野のなななのか (2014)

為政者による戦争への誘導を国民が一回でも止められたらそれは人類の歴史のエポックになるだろう。 大林宣彦監督作品をもう一つ観る。3時間弱の長大な作品だが、自主制作反戦映画っぽいものながら、美人女優とベテラン俳優を揃え、マニアックでファンタジー…