映画 翼にかける命 (1957)

 原作がフォークナーの小説ということで、セリフがとても饒舌な感じがする。普通の映画ドラマのものとは異質である。

 主人公の飛行士ロジャーはかつては第一次大戦で活躍したが、今は航空ショーに出て生計を立てている。美人の妻ラヴァーンと彼女に片想いしている整備士のジッグス、それと一人息子のジャックとで各地をジプシーのように旅している。今回は祭りが行われている海辺の町での出来事である。人間関係がちょっと複雑だが、これに当地の新聞記者のバークが絡んできて、さらに複雑さを増すのである。

 レースの日、賞金をめぐる熾烈な戦いが行われる。多分実写で撮られており、十分迫力のあるものだ。すると一位と二位の飛行機が接触して墜落する。ロジャーは無事だったが大事な飛行機を失ってしまう。

 次の日のレースに出たいロジャーは、修理中の飛行機をジッグスに徹夜で修理させ、飛行機の持ち主にはお目当てのラヴァーンをあてがって、なんとか飛ぼうとするのであるが、このあとに待っているのは悲劇と修羅場だったのである。

 ラヴァーンと息子の身の振り方については、これで良いのか悪いのか、よくわからない終わり方だった。原作が映画向きでないのかもしれない。