この書はパーリ語で書かれた仏典であり日本に伝わらなかった処などスッタニパータと良く似ている。アレキサンダー大王の遠征によりバクトリアの地にできたギリシャ人の王国が分裂して北インドに進出し国ができる。その第八代の王がミリンダ王である。ミリンダ王は体力、知力、財力、軍事力に優れ尊者の元を訪れ問いを発しては相手を沈黙させていた。天界はこれを見て天子マーハセーナを人間界に転生させる。こうして生まれたのがナーガセーナである。ナーガセーナは尊者に成長しいよいよミリンダ王と対面する。
ミリンダ王は尊者に向かって名前を問う。尊者はナーガセーナという名であると答える。しかしナーガセーナは呼称に過ぎず実体では無いと言う。ミリンダ王が疑問を発するとナーガセーナは詭弁のような論説を用いて相手を論破する。正直どういう理屈かよくわからなかった。以後は諸問題についてミリンダ王が問いを発するとナーガセーナは比喩を用いて解答する。仏教の入門書のような仕組みになっている。