今回購入したのは1版38刷(2006)となっている。古代から現代までの歴史史料や著書から抜粋したものを並べている。史料の原文の日本語訳に直接当たる体験ができて大層便利な物である。東洋文庫を片っ端から読んで行くのと割と近いものがあるのだが少々気になる点もある。
122.イギリスのインド支配 1. セポイの反乱の項ではイギリス人将校の回想録が載っている。これによるとある日守備隊本部においてイギリス人将校がインド人傭兵達から発砲を受け、逃げ出した先で盗賊に会い身ぐるみを剥がれて首を絞められるという体験が書かれている。これはこれでいいのだが僕が昔読んだ史料集では反乱を起こしたセポイ達がイギリス軍に制圧され残虐に処刑されて行く光景が書かれていてこれこそテロなのだと言う著者の感想があったのが印象に残っている。いろいろ忖度した結果差し替えてしまったのか別の史料集だったのかよくわからないがこれでは牙を抜かれていて読む人へのインパクトが小さいのではと思った。定価486円と良心的な価格である。