このようなニュースがあった。以下引用。
《タリバン制圧で民間報道機関の女性激減、100人以下か
2021.09.02 Thu posted at 19:30 JST
(CNN) 国際NGO「国境なき記者団」(RSF)は2日までに、イスラム主義勢力タリバンが権力を奪取したアフガニスタンの民間ラジオ局やテレビ局で今なお正式に働き続ける女性は100人以下に減少したと報告した。
昨年は推定700人とした。最近発表の報告書によると、大手の報道機関8社に在籍していた女性510人のうち、勤務を継続するのは76人のみでうち39人が記者職。
RSFは首都カブールから女性記者が消えつつあるとも形容した。ただ、同NGOの責任者は昨年いた女性記者の正確な人数は不明とし今年とは比較出来ないと釘を刺した。》
国境なき記者団は頼もしい存在だ。次に紹介する映画は、実際に亡命した女性ジャーナリストの話である。
映画 カンダハル (2001)
カナダに亡命中のアフガン人女性ナファスがカンダハルに残っている妹を訪れる。妹によるとアフガンの状況は悪化の一途だという。女学校は閉鎖され女性は迫害を受けているという。これはソ連が撤退し内戦が激化した頃の状況に合致する。入国方法はヘリでイラン側の難民キャンプに降下し難民たちと一緒にカンダハルに行くというやり方だ。あと2日以内に着かなければ妹が皆既日食を見て自殺するらしい。
案内の男とナファスら総勢10人のご一行はオート三輪に乗り砂漠を行くが、早速盗賊に襲われる。金品を奪われ徒歩で砂漠を行く事になる。ある村でタリバンが少年たちにコーランを教育する光景が出てくる。剣とは何か、カラシニコフとは何かという珍妙な問答が出てくる。少年達は機械のようにそれに答える。 出来の悪い生徒が退学になった。お前はイランにでも出稼ぎに行けと言われる。
とうとうナファスは案内人から見放され一人で行く事になる。盗賊よけに国連の旗を持たせてくれる。50ドルで雇った少年とともにカンダハルへ進む。ナファスは途中で井戸の水を飲み、闘鶏の光景を見て気分が悪くなる。医者が腹痛の少女を診療している。と思ったら病気なのは成人女性でカーテン越しに診察していた。少女は症状を喋っているだけだった。直接の問診はタブーなのだろう。今度はナファスの番になる。医者はナファスが英語を喋るとわかるとこの少年にはついて行くなという。お金を持っているのを知られているので危険だという。この医者は米国人の元ゲリラ兵だった。
今度は医者が馬車で街外れまで送ってくれる事になる。途中で義足を持った男が赤十字センターまで乗せろという。赤十字センターでは本物の女医がアフガン人を診ていた。センターといってもいくつかのテントが有るだけだ。足や手の無い男がいっぱいいる。足がある者も義足をくれと要求してくる。友達の分だとか母親の分だとか言うが嘘である。転売して儲けようとしているのだろう。
赤十字のスタッフにカンダハルまでの護送をお願いするが結局自分たちは忙しいのでカンダハルに帰る者について行けという。先ほど帰った男がカンダハルに帰るというので馬車で追いかける。この男も何だか信用できないが200ドルで請け負い馬車を探してくるという。結局婚礼の行列に紛れてナファスはこの男と行く事になった。銃を持った集団の検問に遭う。二人が不審者として留置かれた所で映画は終了する。最後に女性は後悔のような呪詛のような言葉をつぶやく。