映画 チェコの古代伝説 (1952)

チェコの建国にまつわる伝説を人形劇とオーケストラで構成した作品である。人形の手作り感が災いして没入しにくいところがあるが、いくつかのエピソードを忍耐強く見て行けば、目的は達成されるだろう。

14世紀に出た年代記(ダリミルの年代記)や19世紀の小説(チェコの古き伝説)に登場する伝説の人物チェフが部族を率いてたどり着いたのは、たくさんの動物と鳥、蜜であふれるいわゆる約束の地であり、山に登ったチェフはこの土地に名前をつける。ここにチェフ=チェコという地名が生まれたのである。

続いて語られるエピソードから伺えるのはこの民族は勤勉であるがそれほど戦闘的ではなく、芸術の分野でも秀でているという側面である。同じくスラブ3兄弟のポーランドとロシアも勿論芸術分野では大変優れている国であることは言うまでもない。音楽の分野でドボルザークショパンチャイコフスキーがいなければ、ドイツ勢だけだったらちょっと面白みに欠ける感じがするのである。