映画 バス停留所 (1956)

 冒頭の寸劇で、モンタナの牧場での練習風景がでてきて、これから主人公のボーがロデオ大会に出場するのだという。育ての親のような男ヴァージルがボーに同行する。事の発端はヴァージルがボーに対してこの旅行で女を見つけろと言ったことである。

 長距離バスに乗って大都会のフェニックスに到着すると、ボーは酒場で出会ったシェリーという女に一目惚れする。ヴァージルが止めるのにもかかわらずボーは強引に女と仲良くなり、ロデオ大会に連れてゆき、プロポーズして結婚式を挙げようとするのである。だがシェリーも強引なボーに付いて行けないと思い始め、なんとか逃げようと画策するのだが、モンタナ行きのバスに無理やり乗せられてしまったのである。

 この後の展開は、サスペンス映画なら惨殺もありうる話だが、この映画は娯楽の王道をゆくラブコメディだけあって、ボーが野蛮な男から誠実な男になるは、シェリーも歌手の夢を捨てて牧場で暮らすことにするはと、なかなかこれは無理な展開かと思うのだが、結構ジーンとくるものがあった。映画のもつ魔力だろうか。