映画 河内山宗俊(1936)

この映画の元になっているのは『天衣紛上野初花』という歌舞伎であり、これは河竹黙阿弥の最高傑作と言われている。「くもいにまごううえののはつはな」と読む。

そういう事は知らずに視聴したので誰が河内山なのか見終わってから調べて知った。河内山宗俊は江戸時代の有名な茶坊主で、悪人であったという。何も知らないで観るとヤクザの親分にしか見えない。

  露天で甘酒屋を営むお浪をめぐる話になっているが、弟の広太郎が目まぐるしく活躍するので主人公かと思ってみていたがそうではなかった。森田屋というのがこのシマのヤクザでその用心棒が金子市之丞である。

 男の欲得、女の嫉妬心が効果的に話の展開に効いていて面白かったが歌舞伎風の演出は無かったので時代劇として観てしまったのである。露天商、長屋、遊郭武家屋敷が再現されており江戸時代の雰囲気が楽しめた。