映画 砲艦サンパブロ (1966)

 米国の軍艦サンパブロ号が長沙に停泊中に中国の情勢が悪化し、自国民を保護する任務につくという話である。情勢が悪化する前は水兵たちは酒場で女を買ったりしていたが、国民党軍がやってきて煽動された民衆による排斥運動が起こるのである。サンパブロ号も排斥運動により長期停泊を余儀なくされる。

そうこうしている内に南京漢口事件(1927)が起こり、サンパブロ号にも指令が下るが、艦長は命令を無視して奥地にある保山にいる米国人宣教師の救出へと向かうのである。上陸後、宣教師は余計なことをしてくれたと激怒し、艦長の説得には応じなかったのである。結局、艦長と主人公の機関士(スティーブ・マックイーン)はやってきた国民党軍と銃撃戦となり討死する。

 この映画は、ちょっと東洋文庫の中の世界に入り込んだような雰囲気に浸ることができる作品である。イザベラバード女史の中国奥地紀行に出てくる病院などが何時どうやって排斥されたのか資料が無く、ずっと疑問に思っていたが国民党の時代にもう無くなっていた可能性も排除できなくなった。