映画 ダイバージェント (2014)

  近未来のシカゴのお話。人類は滅亡し唯一文明の残ったシカゴでは二度と戦争が起こらないような仕組みが作られていた。市民をその素質によって博識、勇敢、無欲、高潔、平和の五派閥に強制的に所属させ切磋琢磨させるのである。政治は無欲が担当し、治安を守るのは勇敢である。確かにこうしておかないと政治はどんどん腐敗し治安は悪化してゆくような気もする。中南米やアフリカの国々の惨状がそれを物語っている。ところがこの映画では不満を抱いた博識が政権を乗っ取るために勇敢を薬物でマインドコントロールし無欲を殺戮する計画を立てるのである。 


  主人公の美少女トリスは無欲の家に生まれ成人する。両親は二人の子供が無欲を選ぶ事を切望しているが選ぶのは本人の意思である。兄は博識、トリスは勇敢を選び両親を落胆させた。だがトリスの適性検査の結果はどれにも属さないダイバージェント(異端)でありこの事は試験官により隠蔽されたが後のストーリー展開に大きく影響してゆく。

  トリスが過酷な訓練を受け勇敢の一員になるまでの経過はスポ根ものと言って良いだろう。トリスは異端の兆候を見せながらも先輩フォーの導きで最終テストに合格し新人達と共に最初の任務が与えられる。この任務こそ無欲の居住区を急襲して住民を逮捕虐殺するという博識の陰謀の最終段階でありマインドコントロールされた勇敢の部隊は任務を粛々と実行してゆく。だがダイバージェントであるトリスとフォーは何故か正常の意識のままでありたった二人で反乱を起こすことになる。フォーはすぐ逮捕されるがトリスは逃げ出し無欲側のレジスタンスと合流、反撃を開始する。

  制御室に向かったトリスはフォーを救い出し首謀者を追い詰めコントロールを解除させることに成功する。この後二人は何故か文明が荒廃した外の世界へと向かうのである。