映画 カラーパープル (1985)

スピルバーグ監督の二時間半にも及ぶこの大作は前半の観る気を削ぐような演出から後半俄然面白くなり最後は感動するというなかなかの映画だった。

黒人の少女セリーは父親の性暴力、嫁いだ先でのDV、モラハラを受け、妹とは生き別れになるという人生を歩むことになる。夫のジョンソンは黒人だが農場を持ち富裕層のような生活を送っている。ジョンソンの元恋人だった歌手のシャグがジョンソン家に居候した事から事態が少しずつ変わり始める。家では暴君のように振る舞うジョンソンだがシャグの前では気の利かない弱い男である事が判明する。ある日シャグの協力によりジョンソンによって隠されていた妹からの手紙の束が見つかる。読んでみると妹はアフリカで伝道師として働きセリーの子供も一緒にいるのだと言う。世界がパッと開けたようになったセリーはシャグと共にジョンソン家を去るのである。やがてアフリカから妹達がやって来て感動的な再会を果たす。

健康を取り戻し結婚して幸せになったシャグだが父親に勘当されたままであった。ある日野外でバンドと歌っていたシャグは神の声を聞けというゴスペルを歌い始めると神の啓示を受けたように行進を始める。向かう先は父親が説教する教会で同じ曲を折しも歌っている最中であった。近づくにつれ両者の歌が重なり合う。ついに教会に着いたシャグは父親と対面し父娘は抱き合うのである。

理不尽、理不尽、理不尽と来て最後に心が洗われるようなものが観れる映画の一つである。