映画 戦争と平和 第2部ナターシャ・ロストワ(1966)

第2部ではロストフ家令嬢ナターシャ・ロストワの社交界デビューからの話が小説よりも簡潔に描かれているようだ。壁の花になっていたナターシャはピエールの気遣いでアンドレイと踊るのだが、ここで二人はやっと恋仲になるのである。アンドレイの亡くなった妻は息を呑むほどの美人だったがナターシャはそれさえを上回る美女である。この映画ではものの見事に映像美として表現されており、観客を納得させる出来栄えになっている。こんな映画は見た事がない。

さてアンドレイは堂々と婚約の申し込みに現れてナターシャも承諾するのだが、変な条件が付けられていた。1年間ナターシャは自由に生活し、その後で結婚生活に入るのだと言う。おかしなことにアンドレイはその間旅に出ると言う。案の定、自由な生活の間に卑劣な遊び人であるクラーギンがちょっかいを出してきて、若いナターシャは彼に夢中になるのである。結局ピエールが介入してクラーギンを追放するが、これで婚約は解消となった。

1812年がきた。巨大な彗星がロシアの夜空に現れる。いよいよナポレオンがロシアに侵攻し社会は大混乱になるのである。