映画 戦争と平和 第4部ピエール・ベズーホフ (1966)

ロシア軍の軍略会議が行われクトゥーゾフ将軍が述べたのは軍を温存して、モスクワを放棄するという前代未聞の方策だった。古都モスクワを死守すべきというまともな反対意見も出たが将軍の権限で作戦は実行される。

負傷兵を含む全軍がモスクワの市街を通り過ぎてゆく光景は見ものであり、実際にモスクワはがらんどうになる。偵察の報告を受けたナポレオンは憤慨しながらもモスクワに入城する。一方ピエールはモスクワに残り最後の戦いをする決意でいる。

フランス軍がモスクワにやって来たときに残っていたのは貧しい人たちだけで、兵士たちの目当てだったロシア女性もそこにはいないのだった。やがて焦土作戦が実行されモスクワは大火で焼失する。ナポレオンはロシアと交渉する為1ヶ月費やしてしまったため退却を開始したのが10月19日となり、ナポレオンは馬車でパリに逃げ帰ったが、飢えのため軍馬を失った10万の兵士たちは徒歩でパリに向かうことになる。そこへ冬将軍が到来したのである。

ピエールは捕虜となったが銃殺を逃れ帰還する。アンドレイの弟は追撃の際戦死した。最後はピエールとナターシャが再会しハッピーエンドとなる。付随音楽も最上級だったし編集も芸術的なレベルであり、ロシア文化の記録的な価値もあるというモンスター級の作品だった。