2021-01-01から1年間の記事一覧

シルクロード第2部(7)バクダッドの彼方へ

最近はシルクロード、刑事コロンボ、シャーロックホームズの冒険と再放送が続いているのでうれしい。今回のシルクロード第2部(7)ではマルコポーロの旅程を辿っており、チグリス・ユーフラテス川下流の湿原マーシュランドを取材している。泥と葦で作った水…

ピアノのある生活

電子工作も一段落しやっとピアノのある生活が始まる。リストの曲は全然モノにならないのでチャイコフスキーを練習している。バルカローレは特に好みである。 昔このピアノで作った曲。 https://youtu.be/iaTHPNobg7Y

フォークナー短編集 (18)

読了した。さて少年の目から見た事件のあらましを読者は知る事ができたのだが、事実関係についてはほぼこの通りだろう。 地主宅の納屋に放火したのは少年の父親のアブナー氏であり、オイルを用意して現場に向かったのを少年と家族が目撃している。動機はわり…

フォークナー 短編集 (17)

短編集最後の「納屋は燃える」まで来た。実に遅い読書だが何か書くためにはこのくらいの速度になってしまうのだ。さてフォークナーの小説にはドラマとして再現可能な部分とそうでない心理描写のような部分が混在している。 主人公の少年が町を追われて一家で…

フォークナー短編集 (16)

決闘が終わった後のサートリス家の様子が描かれる。牧場周辺の自然や、鳥の鳴き声のような描写がふんだんに出てくる。牧場の奥まったところにある低地の木陰で夜まで休息したベイアードとリンゴーはひっそりと静まり返った家に戻ると叔母のジェニーが待って…

Ancient Khotan(3)

Chapter I Section IV. - Ancient Remains in Gilgit and Hunza The total absence of reliable records makes it impossible at present to trace more of the early history of Gilgit and the adjoining regions than in revealed for a brief period by …

Ancient Khotan(2)

Chapter II SARIKOL AND THE ROUTE TO KASHGAR Section1.- THE GEOGRAPHICAL POSITION AND ETHNOGRAPHY OF SARIKOL The great alpine valley of the PAMIR , to which cross 29th June , 1900, over the Kilik Pass (1580 feet above the sea, Fig.8 ) , was…

フォークナー短編集 (15)

当日の朝となった。ベイアードはジェニー叔母さんの最後の懇願も聞かず、何とか助勢しようとするワイアットらの申し出も断り、ものすごい精神状態で弁護士B.J.レッドモンドの古びた事務所に乗り込んでいった。 結果は、書くとこれから読む人に申し訳ないの…

スウェン・ヘディン  Through Asia(1898)

スウェン・ヘディン Through Asia の一部を書写したので紹介する。 Chapter X. Up the Alai Valley Before I proceed with my itinerary, I should like to say a few words about the Alai valley, the huge trough-like depression which separates the Al…

フォークナー短編集 (14)

さていよいよベイアードはジェファーソンにある実家にたどり着いた。 《私は馬からおりた。だれかがその馬をよそへひっぱっていった。私は彼女のところに近づいていった。だが、そのときの私の気持ちは、まるで私自身はまだ馬の背にまたがっていて、彼女がつ…

Ancient Khotan(1907)

オーレル・スタイン著 “Ancient Khotan(1907)"の一部を書写したので紹介する。600ページくらいある本だった。 FROM KASHMIR TO THE PAMIRS Section 1. THE GILGIT ROAD AND KISANGANGA VALLEY KASHMIR, where in 1898 the first plan of my explorations had…

フォークナー短編集 (13)

このような場面だが会話にいやにリアリティーがある。 《すると彼女が口を開いた。「ベイアード、あたしに接吻してちょうだい」 「だめだよ。あなたはおやじの奥さんじゃないか」 「それに、あなたより八つも年上だし、それから、あなたの遠縁の従姉だわね。…

楽しい音楽鑑賞(2)

引き続きHMAー9500 II のパワーアンプと、Dualgate MOS のプリアンプ、VictorのMCー L1000のカートリッジで毎日聴いている。 透明度がSITアンプより優れているのでこれがアナログの最終形である。このまま針が擦り切れるまで聴くつもりだ。SITアンプはデジタ…

最近のアフガニスタン情勢(2)

このようなニュースがあった。以下引用。 《タリバン制圧で民間報道機関の女性激減、100人以下か 2021.09.02 Thu posted at 19:30 JST (CNN) 国際NGO「国境なき記者団」(RSF)は2日までに、イスラム主義勢力タリバンが権力を奪取したアフガ…

フォークナー短編集 (12)

事件といっても牧場で父が撃たれたという出来事である。撃った人物はわかっている。父とは「八月の光」でも出てきたあのサートリス大佐である。その瞬間からこの私はサートリス家の当主となり、仇討ちの為の決闘が待っているのだった。家までの40マイルの道…

フォークナー短編集 (11)

「バーベナの匂い」である。今度はすんなりと頭に入ってくる。文章が明晰そのものだからだろう。フォークナーにしては珍しく、人を小バカにしたような表現に出くわした。 《「なにか、わしにできることでもあったら」 「先生、ぼくの下男に新しい元気な馬を…

最近のアフガニスタン情勢

8/20(金)のロイターのニュース 2001年に過激派組織アルカイダによって暗殺されたアフガンの国民的英雄マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏は米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、「父の足跡をたどり、再びタリバンに挑む覚悟のあるムジャヒディ…

フォークナー短編集 (10)

残りの数ページを読んでみたら、思った以上の酷たらしい結末だった。サトペン大佐の態度にキレたワッシがサトペン大佐を殺す。この後のことに思いを巡らせたワッシは逃げることもままならぬと思い、全部終わらせる壊滅的行動をとる。その時の彼の思考を精読…

フォークナー短編集 (9)

「孫むすめ」まで来た。何だか読んでもちっとも頭に入って来ないので、部分的精読から入る。 《りっぱな容姿の種馬に乗って、農場を駆けめぐるのを見かけたものだった。その瞬間だけは、彼の心は平静になり、誇らしくもなった。つまり、彼にはこんなふうに思…

東洋文庫 日本神話伝説の研究 1 (1925)

長い総論があるがそれは読み飛ばして、各論のごく一部を精読する。 《七 素戔嗚尊の性質 高天原神話における素戔嗚尊は純然たる英雄神であるが、出雲神話においては、英雄神であるよりは、むしろ造化神であるように思われるところがある。伊弉諾伊弉冉二神の…

フォークナー短編集 (8)

いよいよ喜ばしくない場面が出るだろうと思って読み進むと、ミニー・クーパー嬢の生い立ちと近況が書かれていた。その後にはマクレンドンが帰宅して、自動拳銃をテーブルに置いたところで小説が終わった。マクレンドンは疲労困憊していたようだが、リンチし…

フォークナー短編集 (7)

いよいよ問題作「乾燥の九月」のところに来た。読んで行くと、この辺りの記述が問題の核心部分であるだろうとわかる。 《理髪師は剃刀をかざして、旅商人の顔をおさえつけていた。「まず事件の真相をつかむのが第一ですよ、みなさん。わたしはウィル・メイズ…

映画 アフガン零年 (2003)

昔観た映画だが、又見るのはしんどいので要約だけ紹介する。これからもう一度起こる事である。 タリバンの支配下に入った町では女子の就業は禁止されており、夫を亡くし経済的に困窮した女性たちがデモをする。乳飲み子を抱えた女性もいる。たちまちタリバン…

フォークナー短編集 (6)

日課であるフォークナーの読書をする。 この最後の場面では、ジェイソン、キャディーとナンシーの掛け合いが繰り広げられ、「私」は見ているだけである。だから一読目では、クウェンティンの目だけ存在するように感じたのだ。さてとうとう父親が迎えにやって…

フォークナー短編集 (5)

私(クウェンティン9歳)、キャディー(7歳)、ジェイソン(5歳)がナンシーの家まで夜道を行く。 《私たちは小道を下っていった。ナンシーは大声でしゃべっていた。 「ねえ、ナンシー、なんでそんな大きな声でしゃべっているの?」とキャディーはたずねた。…

フォークナー短編集 (4)

読み進んでゆくと「私」が場面に登場してちゃんと会話していた。 《「クウィンティンに、行って見てきてもらったらどうだい?」と父がいった。「おい、クウィンティン、ナンシーがもうすんだかどうか、行って見ておいで。もう家に帰ってもいいといってやるん…

フォークナー短編集(3)

『ある夕陽』まで来た。一読すると登場人物が交錯気味で、再読しなくてはならないようだ。殊に終わりの場面で出た「私たち」という言葉に引っかかる。私とは誰なのか。そんな人はいないような気がする。 冒頭の情景描写から熟読してみよう。 《しかし十五年…

つれづれ日記 (2)

LPコレクションを整理した。 いくつかLPを聴いた。 今のシステムがMCーL1000に最適になっているのでとても素晴らしかった。 iPad mini4 を導入したがもはやパソコンみたいになっている。 バリバリ作業するにはiPad mini3とLogicoolのキーボードの方がいいよ…

つれづれ日記(1)

フォークナーやドナルド・キーンを読むのが日課である。 たまに電子回路も研究する。 2SJ77の生死をチェックしてみると1個だけ変なのがあった。 大抵はショートモードで壊れているかダイオード化しているかである。特性を調べてみた。 一応動作しているが使…

フォークナー短編集(2)

『エミリーにバラを』 ジェファーソンに伝わる奇譚と言っていいのか、まあこれはエミリー・グリアソンの簡潔すぎる評伝である。彼女の葬儀から書き始められているが、彼女の一生は外から見ると社会に出ず引きこもって歳をとって死んだだけのように見える。表…